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大学受験日本史講師 石川晶康によるブログ

Archive for the ‘お知らせ’ Category

歴史と歴史小説

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本郷和人氏の近著『武力による政治の誕生』の導入部に、現在の歴史学の課題と歴史ブームについてのコメントがありましたので、紹介(「」の部分が引用部分です)しておきます。
「日本史という学問がここ数年、若い方たちにまったく人気がない」。東大の院生に聞いたところだと、具体的には学部生で日本史を専攻しようとする学生が少ないそうです。それなのに、世間では一種の「歴史ブーム」が続いている。
「たしかに「歴女」とか、「坂本龍馬フアン」とか、ありがたいことに古い時代に関心を持つ人は増えている」。
「だが彼等・彼女らが愛好するものは、「史実に基づく歴史」とは接点をもたない、まるっきりのフイクションである」
要するに、歴史学とはなんの関係もない、作り話であり、そのお話が好きな人たちが「〜フアン」だということです。そこで、
「わたしたち日本史研究者は、まさに商売あがったりである」と、本郷氏は率直な表現で歴史ブームと歴史学の間に生じている懸隔、現状を嘆いておられるのです。さらに、
「温故知新なんて常日頃から言っているは、学問なんぞとは異なるスキルでもって出世したり成功して、司馬遼太郎や塩野七生を愛読しているおじさんばかりだ。昔はこうだった、なんて人生訓を語られても、若い人たちには小うるさいお説教にしか聞こえないだろう」さらに、「ホームドラマ化しないとNHK大河ドラマが成功しない」とも指摘しておられます。
若い人ならまだしも、やっかいなのは、司馬遼太郎を崇拝し、てっきりそれが「歴史」だと思って、あろうことか説教までしてしまうおじさん・おばさんが大量に発生していることなのです。まったく、真摯な、第一線のの研究者の苛立ちが伝わってくるではありませんか。歴史小説を楽しむことは、いい趣味でしょうが、小説やドラマと歴史との関係についてはわきまえておくべきでしょう。
ぜひ、『武力による政治の誕生』だけでなく、本郷氏の著作にまだ接していない方は、一読されたいと思います。
前回、『坂の上のクソ』などという、下品な表現で司馬作品について舌足らずなコメントを書いてしまったので、ここは、第一線の研究者の見解を引用させていただいて、昨今の「歴史ブーム」の害悪がどのようなものか、改めて考えてもらいたいと思います。

Written by Ishikawa Akiyasu

9 月 9th, 2010 at 1:16 am

日本史勉強法 ゲームとしての解法

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難関私大対策のテキストに必出の、未見史料を大量に使用した問題で、やる気を失ったという受験生も多いでしょう。学力がそのまま得点につながらないとイヤになってしまいます。
そこで、設問を利用しつつ、与えられた史料から人名や地名を抜き出して、何に関する史料かを推定する作業をゲームと考えて、復習に役立てつつ、得点力を向上させましょう。携帯でゲームをやってる場合ではありません。
たとえば、次の語句から、どんな事件が思い浮かびますか?
「密告」・「左大臣正二位( ① )」・「左道を学ぶ」
「左大臣」が危険な学問(左道)を学んでいるという「密告」から始まったというわけなので、①の左大臣は長屋王。もし、この長屋王の変のきっかけについて知らなかったら、すぐに、おぼえればいいだけです。テキストなどに「左道」書き加えておけいい。
因に、この史料は『続日本紀』。もし、史料に出典が示されていれば、『続日本紀』だったら、時期はほぼ奈良時代だと推定できます。しかし、この長屋王の変に関する史料と長屋王家から大量に発見された木簡についての記事は、山川出版の『詳説 日本史B(改訂版)』の冒頭の「資料を読む」という導入部分に詳しく紹介されているものです。そこで、この史料は、未見史料というより、焦点となる史料です。
未見史料問題の演習の際には、このような焦点の史料に留意しなければならないわけです奈良時代なら、道鏡のときの「加墾禁止令」も奈良時代の焦点の史料ですから、一度は解いておきたいところでしょう。また、左大臣が絡む政変はその後も多いので、この再整理しておくのも有効な勉強方法です。

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8 月 11th, 2010 at 12:43 pm

ゲームとしての入試問題

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夏期講習で早慶大などの問題演習に取り組んでいる人は、正解を得るためにゲームのような感覚がひつようだということがわかってきたと思います。
一種の、連想ゲーム的な感覚がぜひ必要なのです。消去法で、知らないことでも正解は得られるという問題も多いのです。講習会が終わったら、もう一度、問題を解いてそのあたりの感覚を再確認してください。
具体的には次回以降、紹介します。
(お知らせ)
twitterのアカウントでログインすることで、ブログエントリーにコメントをすることができるようになりました。携帯電話からのコメントが、うまく受けられなくなってしまいましたが、悪しからず。できるだけ早く対処したいと思っています。

Written by Ishikawa Akiyasu

8 月 10th, 2010 at 9:04 pm

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早慶大日本史の予習

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予習にとりかかっている人は、つぎの点に注意してください。
①何も見ないでやってみる。わからないところは、いちいち調べたりしないで、飛ばしておけばok。
②忘れたところをチェック。テキストやノートを見てみる。該当箇所が見つかったら、その箇所を、後からわかるようにマークしておく。
③調べてもわからない問題にもう一度チャレンジ。そこだけを考えないで、問題文をもう一度読み直すこと。
④どうしてもわからない場合はあきらめる。もちろん、教科書の欄外の註やコラムから答えを探してもよい。
ここまでやっておいて、講習会に臨んでください。そこからが、本当の受験勉強です。

Written by Ishikawa Akiyasu

7 月 23rd, 2010 at 4:50 pm

『教科書よりやさしい日本史』完成 

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『教科書よりやさしい日本史』(旺文社)が完成しました。見本刷りが今日届きました。書店に並ぶまであと少しです。たまたま、今日は河合塾の同僚で旺文社で本を出している先生たちと、旺文社の社会科担当の編集の皆さん、営業の方などとの会食の日でもありました。その時、ぜひ受験生だけでなく、一般の方にも読んでもらいたいものだという話になりました。西尾鉄也氏のイラストの素晴らしさが、小生の文字の説明部分とどのように連関するか? 正直なところ、発刊後、読者に聞いてみなければわかりません。新しい試みでもあり、期待と不安が交錯している情況です。なんとか、単なる受験用の参考書ではなく、日本史に興味はあるが高校では未習だった、あるいは、授業では興味も湧かず、ほとんどおぼえていないという社会人の方にも、高校レベルの日本史の基本を知ってもらいたいというのが、本書の一つの目標なのです。ただし、社会人をも対象にするからといって、ドラマとしての歴史、教訓としての歴史について興味を喚起するというものではありません。経済史や外交史、文化史なども含めた基本的な、必須の知識を紹介したものですから、大河ドラマ的な興味を満たすものではありません。「面白い話」や「蘊蓄」を期待される方には不満が生ずるかもしれません。しかし、荘園公領制を知らずに源義経などの英雄に興味をもっても、所詮は小説的なドラマの世界。太閤検地の内容や大名知行制を知らないで江戸時代に興味をもっても、せいぜい、根拠の無い懐古趣味に終わってしまうでしょう。もし、本書に興味持ってくださった方は、その点を理解していただきたいものです。歴史にドラマを求める前に、その舞台となった各時代の政治・制度、外交、経済などを理解すること。そのためには、部分的ではなく、古代から現代までの基本的な知識を、時間軸にそって整理することです。

Written by Ishikawa Akiyasu

7 月 15th, 2010 at 11:52 pm

西尾鉄也氏との合作・「教科書よりやさしい日本史」まもなく発刊

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教科書よりやさしい日本史」(旺文社)が今月下旬に刊行されます。旺文社の編集者岡崎氏の新企画です。アマゾンなどで予約発売中ですので、関心のある方は見てください。「教科書よりやさしい日本史」あるいは「西尾鉄也」氏の名前で検索していただければすぐにでてきます。

ところで、今夜は恒例の屋形船での宴会がありました。東京湾の夜景を海から見るというのはなかなかイイものです。幕末、外国船の江戸湾侵入に備えて大砲を据え付けるために築かれた台場のあたりには、現在はフジテレビの「お台場」がありますが、その前に屋形船を留めての宴会です。今年は、天候に恵まれず残念でしたが、大声を競うようなカラオケ大会でおおいに盛り上がって終わりました。

Written by Ishikawa Akiyasu

7 月 5th, 2010 at 11:45 pm

花のことは花にとえ 日経ビジネスアソシエ

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只今発売中の「日経ビジネス・アソシエ」(7月6日)の特集、「歴史に学ぶ金言・名言」のなかの「乱世を生きる」に一遍の「花のことは花にとえ」を初めとして、明恵・親鸞・宮本武蔵・吉田松陰などの言葉についての記事が掲載されています。編集者のビジネスマン向けの「超訳」がなかなか面白いので、興味のある方は一読してください。他のコーナーもなかなか興味深い「言葉」がたくさん紹介されています。

河合塾の例年の行事、鎌倉オリエンテーションも無事終わり、6月は模試の検討会議と、新宿校で本年の早慶大の古代史の問題の解説講義というイベントが残るだけ。授業は、いよいよ近世にさしかかり、前期のヤマ場を迎えたところです。夏休み前に、どこまでがんばれるか。サッカーも、いよいよ、ヤマ場ですね。ともかく、体調管理が一番必要なことは、受験もスポーツも同じです。

Written by Ishikawa Akiyasu

6 月 22nd, 2010 at 12:31 am

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実況中継CD-ROMブックス日本史B vol.2 が刊行されます

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実況中継の音声版、『CD-ROMブックス日本史Bのvol.2』が完成しました。列強の接近・幕末、化政文化から鳩山由紀夫内閣の成立まで。CD-ROMで800分の講義を聞いてもらいながら、サブノート形式のテキストで学習する形の参考書です。五月下旬には店頭に並びます。vol.1とあわせて、800分×2=1600分、約27時間弱の授業が詰まっています。河合塾の教室で会うことのできない受験生にも、これで、教室での授業を受けてもらえることになりました。しかも、繰り返し聞いてもらえるので、しっかりとした基礎学習を完全に吸収してもらえると思います。27時間で1年分の授業内容を知ることができるのですから、1週間あれば旧石器文化から現代までを一通り学習できます。サブノートも完成させて、基礎学力を万全なものにしてください。センターでも二次論述でも、早慶などの難関私大でも、まずは基礎学力の確立が第1段階です。遅くとも、夏休み中には、原始・古代から現代までの一通りの知識は身に付けたいものです。

日本史で受験する方はぜひ活用してください。史料の学習なども音声での解説を無料で公開しています。

こちらもぜひ利用してください。

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5 月 12th, 2010 at 11:35 pm

アルミ貨は叫ぶ 早くプロペラになりたい

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日経BP社の依頼で日本史に興味をもったビジネスマンに勧める本をいくつか紹介しておきました。続いて、「今度は日本史に関わる名セリフを」という依頼が来ました。ビジネスマンが元気になるような名セリフを紹介したいということなのですが、「はい」と安請け合いしてから????。

ありふれた名セリフを適当にというのは趣味に合わず、かといって、これといった名言やセリフといってもイメージが湧かない。しかし、「できません ごめんなさい」と素直に断るのもイヤ。まあ、有名なところをいくつかあげておくのも手ですが、さすがに、龍馬ネタなどは避けたいし・・・・。と悩んでいるところです。

一番、いままでで印象に残っているのは、名言ではなく、名コピーですが、

「アルミ貨は叫ぶ 早くプロペラになりたい」

というのがあります。太平洋戦争末期の「欲しがりません 勝つまでは」と同趣旨の、国民に戦争協力を呼びかけるものです。「欲しがりません 勝までは」は余りにも露骨で「臥薪嘗胆」の類です。しかし、この「アルミ貨」は同類とはいえ、凄い。

太平洋戦争末期、あらゆる物資が不足する中で誕生した名コピーです。とことん行き詰ると、「アルミ貨」、今で言えば1円のアルミ貨が「叫ぶ」んです。アルミ貨が叫ぶ。「こんなことやってる場合じゃない」「プロペラになりたい」と。財布の中から出て、特攻機のプロペラになりたいというんでしょう。実は、政府は「陶貨」の発行まで考えていました。それなら「土」があればいいわけです。この陶貨は実際には使用に至る前に敗戦ということになってしまったらしいのですが、その試作品を以前買った記憶があります。探せば出てくるくるかもしれませんが。そう言えば、備前焼の手榴弾も話題になったこともありました。

しかし、コピーもここまで来ると鬼気迫るというか神業の域に達している・・・と勝手に思っているんですが、これを推薦するべきかどうか、かなり迷っているところです。

Written by Ishikawa Akiyasu

5 月 2nd, 2010 at 9:30 pm

今、読むべき本

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発売中の雑誌『日経ビジネスAssocie』の特集「今、読むべき本」の日本史の部分を依頼され、取材を受けたものが記事になっています。

歴史に興味をもった30〜40代のビジネスマンに勧める日本史関係の本を推薦して欲しいということでした。考えれば考えるほど迷ってしまうので、オーソドックスなもの、ベストセラーに、若干、個人的な好みに従って推薦したものを加えて9点挙げられています。ベストセラーとしては「それでも日本人は「戦争」を選んだ」(加藤陽子)など。個人的に迷わず選んだのは「英語襲来と日本人」(斉藤兆史)・「南蛮のバテレン」・「アイヌの昔話」(萱野茂)などです。時間のある方は是非読んでみてください。自分の著書も1冊はokということでしたが、もちろん遠慮しておきました。

それ以外にも、推薦するべき本はイッパイあるのですが、雑誌の記事となったのものを読むと、それなりにバランスがとれているという満足感がチョッピリ湧きました。めずらしい経験でした。

ところが、続いて、「元気が出る名セリフを」という依頼が続いてあり、こちらはどうにもイメージが湧かず、頭を悩ましています。どうなることやら。頼まれるものを断らないという性格は今更修正できません。なんとか、捻り出すつもりですが・・・・・。

Written by Ishikawa Akiyasu

4 月 25th, 2010 at 10:36 pm

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