普天間基地問題 鳩山・仲井真会談
鳩山首相と仲井真知事の会談が民放で中継されていました。会談の会場、知事室か応接室かは聞き漏らしましたが、大きな屏風が正面にありました。一読して、「万国津梁之鐘」の銘文でした。琉球王国の繁栄を象徴するこの大きな「鐘」を見たのは随分前でした。まだ、首里城の正殿が復活する前で、県立博物館に展示してあった時代でした。その時のサテライト講座のためのロケのVTRからとった写真は『実況中継』に入れてあります。(白いスーツを着た、かなり気持ちの悪い当時の自分が鐘の横に立っています)。
那覇の港が東南アジアから中国、朝鮮、日本までの広大な地域の交易の要にあった。すなわち、「万国」、世界の国々の港を結ぶ拠点として繁栄していた状況を謳ったものです。授業でも必ず説明するところなので、主要な部分を意訳すると、
琉球王国は南の海の中に湧き出た理想の国である。中国とは車の両輪のような関係、日本とは唇と歯のような関係にあり、那覇の港には中国・日本だけでなく朝鮮半島の宝物も集まってくる。世界の宝物はなんでもこの那覇の港に集まってくるのだ。
この銘文を思い出すたびに、15世紀前半(1429年)の琉球王国の成立とその繁栄。17世紀以降の薩摩藩による琉球王国の植民地化、そして、明治政府の「琉球処分」、そして、沖縄戦と続く悲劇的な歴史の展開を考えざるをえなくなります。沖縄が本土の武家政権、日本政府の支配を甘受せねばならなくなって400年余。かつて、「琉球の時代」と呼ばれる繁栄をもたらした「南海の勝地」という地理的な条件が、アメリカの海兵隊駐留のための不可欠の位置にあり、それが日本の安全保障にとっても不可欠だということになってしまう。まさに「要石」「キーストーン」であることが沖縄に戦争と平和の両面において、周辺諸国にとって無視できないものであり続けているわけです。その意味からも、普天間問題は、誰かが誰かを批判したり、一面から特定の案を主張できるような問題でもないということだけは、自明のことでしょう。
