第52回　近世13　列強の接近 【５２−１】　林子平『海国兵談』　（結論46） 　当世の俗習にて、異国船の入津ハ長崎に限たる事にて、別の浦江船を寄ル事ハ決して成らざる事ト思リ。実に太平に鼓腹する人ト云べし。・・・・当時長崎に厳重に石火矢の備有て、却て安房、相模の海港に其備なし。此事甚不審。細カに思へば江戸の日本橋より唐、阿蘭陀迄境なしの水路也。・・・・ 【５２−２】　異（外）国船打払令　（実況三32-12　結論46） 　をろしや船の儀に付いては、文化の度改て相触候次第も候処、いぎりすの船、先年長崎に於て狼藉に及び、近年は所々え小船にて乗寄、薪水・食料を乞、・・・・一体 いぎりすに限らず、南蛮・西洋の儀は、御制禁邪教の国に候間、以来、何れの浦方におゐても、異国船乗寄候を見受候はば、其所に有合候人夫を以、有無に及ばず、一図に打払、逃延候はば、追船等差出すに及ばず、・・・・二念無く、打払ひを心掛け、・・・・

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